AI画像制作の見積もりは、生成した枚数だけで決めず、確認・修正・納品までの作業時間と実費から組み立てます。 最初に、採用する画像の枚数、サイズ、修正の範囲、提出形式をそろえましょう。条件があいまいなままでは、低価格でも高価格でも双方が判断できません。
この記事では、小規模な商品画像制作を想定し、見積もりの計算例と依頼者に送れる確認文を紹介します。金額は説明用の仮定であり、市場相場、販売実績、推奨価格、収入保証ではありません。

料金を出す前に決める7項目
| 確認項目 | 記入例 | 未確定ならどうするか |
|---|---|---|
| 完成画像の枚数 | 採用画像3枚。生成候補の全数は納品対象外 | 完成品と候補数を分ける |
| 用途とサイズ | EC掲載用、横1600×縦1600px、PNG | 掲載先の必要条件を確認する |
| 元画像 | 依頼者が商品写真を提供 | 不足写真の追加依頼と納期を相談する |
| 変更できる範囲 | 背景のみ。形・ロゴ・ラベルは維持 | 再現できない要素を先に伝える |
| 修正 | 初稿後、条件内の修正を1回 | 何を1回と数えるか決める |
| 納期 | 素材と方向性の確認後に着手日を確定 | 未確認のまま日付を約束しない |
| 提出物 | 完成PNG。編集データは別途相談 | 編集可能ファイルの要否を確認する |
「画像3枚」でも、3種類の商品を作るのか、同じ商品の背景を3パターン作るのかで作業は変わります。縦横の別サイズや文字入れも、別の作業として確認してください。
見積もりの計算式:時間・実費・手数料
まず、必要な作業時間に自分の設計上の時間単価を掛け、案件に使う実費と配賦費用を加えます。販売手数料が売上に対する割合なら、その分も逆算します。
見積もりの基準額 =(想定作業時間 × 設計上の時間単価 + 案件実費 + 配賦費用)÷(1 − 売上に対する手数料率)
税込・税抜の扱い、固定手数料、決済手数料の計算対象が異なる場合、この式だけでは足りません。利用する販売先の実際の条件に合わせて調整してください。ここでは税金の計算は扱いません。
| 仮の条件 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 作業対価の目標 | 3時間 × 2,500円 | 7,500円 |
| 案件実費 | 生成費・素材などの仮定 | 1,200円 |
| 配賦費用 | 月額ツールなどの案件配分の仮定 | 800円 |
| 手数料前に必要な額 | 7,500 + 1,200 + 800 | 9,500円 |
| 仮の販売手数料率 | 20%。特定の販売先の現行料率ではない | 基準額11,875円 |
| 提示額を12,000円とした場合 | 12,000 − 2,400 − 1,200 − 800 | 作業対価に充てられる額7,600円 |
最後の7,600円は、作業者の労働対価や税金を引いた純利益ではありません。3時間で終われば、設計上は1時間あたり約2,533円です。6時間かかれば約1,267円に下がります。安さだけで受ける前に、修正を含む時間で考えましょう。
作業時間には生成以外も入れる
| 工程 | 仮の予定時間 |
|---|---|
| 要件・提供写真の確認 | 30分 |
| 生成候補の作成と選定 | 45分 |
| 調整・条件内の修正 | 60分 |
| 拡大表示での検品 | 30分 |
| 書き出し・ファイル整理・納品連絡 | 15分 |
| 合計 | 180分=3時間 |
同じ条件の小さな試作で作業時間を測ると、見積もりを修正しやすくなります。試作でも商品の形や文字を維持できない場合は、再生成を繰り返す前に、写真の差し替えや編集方法を相談します。
「修正1回」の範囲を文章でそろえる
回数だけでは、依頼者と制作者で理解がずれることがあります。まとめた修正指示を1回とするのか、画像1枚ごとなのかを明記しましょう。以下は小規模案件の運用例です。相手の条件に合わせて双方で確認してください。
| 依頼内容 | この運用例での扱い | 対応 |
|---|---|---|
| 合意した背景の明るさを調整 | 条件内の修正 | 含まれる1回分で対応 |
| こちらの作業で元の商品ロゴが崩れた | 合意した納品条件を満たしていない | 有料の追加変更と混同せず是正を相談 |
| 合意後に別の商品へ差し替え | 制作対象の変更 | 追加作業と金額を提示して合意後に着手 |
| 正方形3枚に加えて縦長3枚も必要 | 提出物の追加 | サイズ調整・検品の追加時間を見積もる |
| 確認済みの方向性を全面変更 | 当初範囲を超える変更 | 新しい方向性と再見積もりを確認 |
追加料金は、作業後に一方的に請求するのではなく、変更内容・追加額・納期への影響を示し、相手が確認してから進めます。元の条件を満たすための是正と、新しい要望を区別するのが要点です。
コピーして使える見積もり前の確認文
今回は[用途]向けに、[商品名]の完成画像[枚数]枚を制作する想定です。サイズは[幅×高さpx]、形式は[PNG/JPEG]、変更対象は[背景など]です。商品本体の[形・ロゴ・文字]は維持対象とします。初稿後の修正は、確認済みの方向性を保つ調整について、まとめたご指示[回数]回を含みます。商品差し替え、方向性の変更、画像・サイズの追加は、着手前に追加額と納期を相談します。編集データは[含む/含まない]です。提供素材と利用条件の確認後に正式な金額・納期をご案内します。
角括弧の項目を埋め、実際に守れる条件に直してから使ってください。この文章は作業確認のたたき台であり、個別案件の契約条件や法律上の判断を確定するものではありません。
権利確認と品質検査の時間も省かない
依頼者が提供した画像でも、加工や商用掲載が許されるか確認が必要です。使用する生成サービス、素材、フォント、人物・商標など、対象ごとに利用条件を確かめます。「AIで作った」という理由だけで、利用可能な範囲を一律に約束しないでください。
Canvaを使う場合の確認先として、公式コンテンツ使用許諾契約があります。AI機能の条件までこの文書だけで判断せず、利用機能に適用される条件も別途確認してください。確認日:2026年10月21日。
制作手順はCanvaの商品画像・背景制作ガイド、納品直前のチェックはAI画像の納品チェックリストに分けています。このページでは受注前の範囲と採算の設計に集中しました。
次の見積もりで行うこと
まず、実際の依頼条件で工程ごとの予定時間を埋めます。次に、含まれる修正と追加変更を分けて相手に確認します。納品後は実作業時間・実費・追加変更を記録し、次回の見積もりを更新してください。